花火の音が苦手なのは「爆音恐怖症」かも?治療方法や対策方法は?

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夏といえば、花火大会が思い浮かぶ方も多いでしょう。空に咲く花火の美しさは、日本の夏の風物詩ともいえます。しかし、その一方で、「花火の音が苦手…」と感じる人も実は少なくありません。一部の人々にとっては、そのドーンという大きな音は恐怖さえ感じさせ、不安な気持ちになったり、パニック症状がでたりしてしまうこともあります。

今回は「花火の音が苦手」と感じている方に向けて、花火の音が苦手になってしまう原因や解決策について解説していきます。

近年増加傾向にある「爆音恐怖症(ligyrophobia)」とは?

近年増加傾向にある「爆音恐怖症(ligyrophobia)」とは?

花火の音が苦手になってしまう理由は様々ありますが、近年では特に「爆音恐怖症」の訴えが増加傾向にあります。

爆音恐怖症(ligyrophobia)とは?
爆音恐怖症とは大きな音や突然の音、例えば雷、花火、自動車のクラクション、警報器などに対する過度な恐怖や不安を感じる疾患の一つ。「高所恐怖症」や「閉所恐怖症」などと同様の恐怖症の一種と言われています。
https://twitter.com/manzityan_/status/1493592342976425987
https://twitter.com/Fujikojika/status/1677665294486245376

爆音恐怖症になってしまう4つの原因

爆音恐怖症になってしまう4つの原因

明確な発祥のメカニズムは不明点も多いですが、爆音恐怖症になってしまう主な原因は以下の4つである可能性が高いです。

1.過去のトラウマ

爆音恐怖症の一般的な原因の一つは、過去のトラウマに関連しています。例えば、子供のころに突然の大きな音による事故や、雷などの自然現象による怖い経験があると、そのような音を聞くたびにトラウマが再活性化する可能性があります。これはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の一形態であり、特定の状況や刺激が過去のトラウマを引き起こす「フラッシュバック」を引き起こすことがあります。

2.条件付け(トリガー)

爆音恐怖症は、心理学的な「条件付け」によっても発生する可能性があります。これは、特定の刺激(この場合は爆音がトリガーとなる)が、恐怖や不安といった負の感情と結びつけられ、その結果、その刺激が出現するたびに自動的に不安や恐怖を引き起こすようになる現象です。

3.遺伝的要素

一部の研究では、恐怖症が家族内で伝わる傾向があることが示されています。これは、恐怖症を引き起こす可能性のある特定の遺伝的要素が存在することを示唆しています。

4.感覚過敏

特定の音に対する過敏性は、爆音恐怖症の一因となることがあります。これは、個々の聴覚感受性や個々のストレス反応の違いによるもので、普通の人よりも大きな音に対して敏感で不快で恐ろしく感じられる可能性があります。

爆音恐怖症の治療方法や対策方法

爆音恐怖症の治療方法や対策方法

注意点

爆音恐怖症になってしまう原因は人それぞれ異なりますので、治療を行う際は必ず専門医などの助言の元行うようにしてください。ここではあくまで一般的な治療方法を紹介します。

認知行動療法(CBT)

認知行動療法は、思考パターンと行動を変えることによって不安を軽減するための心理療法の一種です。この治療法では、専門家と一緒に、爆音への恐怖が過大評価や誤解から生じている可能性を探求します。また、実際の危険性と感じる恐怖との間のギャップを理解し、対策を立てることも含まれます。

露出療法

露出療法は、段階的に恐怖の対象となる状況や物に対する反応をコントロールする能力を養う治療法です。爆音恐怖症の場合、初めは静かな音から始め、徐々に大きな音へと露出を増やしていきます。これにより、恐怖反応を引き起こす刺激に対する耐性を高め、反応を抑制することが可能になります。

リラクゼーションテクニック

ディープブレス、瞑想、ヨガなどのリラクゼーションテクニックは、全体的なストレスと不安を減らすのに役立ちます。これらの技術は、穏やかな状態に身体と心を導くことで、恐怖反応をコントロールするのを助けます。

適切な耳栓やヘッドホンの使用

高品質のノイズキャンセリング機能を備えたヘッドホンや耳栓は、爆音恐怖症の対策として有用です。これらは予期せぬ大きな音からあなたを守ります。

爆音恐怖症に悩んでいる方へのアドバイス

爆音恐怖症に悩んでいる方へのアドバイス

「爆音恐怖症で恥ずかしい」「友達と一緒に花火大会にいけない」「可愛いこぶってると思われる」などという悩みを持っている方も多いかもしれません。

しかし、必ず理解しておいていただきたいことは「人間は大なり小なり全員が爆音恐怖症であり、あなただけが特別で恥ずかしいということではない」ということです。

誰だって急に大きな爆発音がしたらビックリしますし、そのあとは心臓がバクバクします。
それは人間として至って普通の反応なのです。

自然の中で生きてきた私たちの祖先にとって、突然の大きな音は潜在的な危険の合図でした。それは、遠くで雷が鳴っているか、近くで木が倒れるか、それとも敵が攻撃を始めたのかを示す信号だったのです。そのため、私たちの祖先は生き延びるために、これらの大きな音に対して緊張や警戒を持つように進化してきました。私たちはその遺産を受け継いでいるのです。

だから、あなたが花火の音や雷の音を聞くたびに心が高鳴るなら、それはあなたが異常であるということではなく、あなたの体が正常に働いている証拠なのです。大きな音に驚き、それに反応することは、私たちの生存本能の一部です。

なので、大前提として爆音恐怖症は「気にしすぎる必要は全くない」し「恥ずかしがることでもない」人間として当たり前の反応であるということです。

とはいえ、もちろん過度な爆音恐怖症の為に日常生活に深刻な影響を与える場合は対策が必要であることも間違いありません。

なので、耳栓やイヤホンをできる状況であれば無理せず耳栓やイヤホン・ヘッドホンをして爆発音を和らげましょう。周りに友達などがいるなら「爆発音が苦手だから耳栓するね」と素直に言いましょう。それは決して恥ずかしいことではありません。人間誰しもが爆発音は苦手だからです。

最近ではノイズキャンセリングのスタイリッシュでおしゃれなイヤホンやヘッドホンもたくさんあります。

花火大会の時は無理せず耳栓やイヤホン・ヘッドホンをして花火から少し距離を置いて花火を楽しみましょう。耳栓をして花火大会を楽しんでいる人もたくさんいます。

まとめ

この記事を通じて、爆音恐怖症という問題について理解を深め、その対策方法を探求してきました。大きな音が怖いと感じることは、個々の感覚の違い、過去の体験、そして何よりも私たちが生物として持っている生存本能からくるものです。そしてその感覚は、あなたが一人だけが持つ特別なものではなく、私たち全ての人間が共有しているものなのです。

しかし、もしこの感覚が日常生活に影響を与え、あなたを苦しめるなら、手を差し伸べる人々や対策方法があります。認知行動療法、露出療法、リラクゼーションテクニック、そして適切な耳栓やヘッドホンの使用など、多くのアプローチがあなたの恐怖と向き合う道を明るく照らす手助けとなるでしょう。

そして何よりも重要なことは、あなたが一人でこの問題に立ち向かう必要はないということです。あなたの恐怖は、理解し、対策を共に考え、あなたを支える人々によって共有されます。私たちはあなたが恐怖を乗り越えることができることを信じています。

あなたが花火の音が苦手だと感じても、それはあなたが人間であり、感じることができる生き物であることの証拠です。

この記事を通じて、あなたが自分の感覚をより深く理解し、あなた自身や他の人々が共有する経験に対する認識を深めることができたなら、これ以上の幸せはありません。恐怖はあなたを孤立させるものではなく、あなたを私たちと結びつけるものです。共に恐怖を超えて、新しい理解と経験を共有しましょう。