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1997年に公開されたジブリ映画の名作「もののけ姫」は、宮崎駿監督が構想に16年、制作に3年をかけた大作です。興行収入は193億円を記録し、当時の日本映画の興行記録を塗り替えるほどのヒット作品となりました。
アシタカやサンといった登場人物も非常に特徴的で、深い森林を描いた世界観もかなり独特でした。
人間ともののけの戦いは、実社会における人間と自然との関わりを描写した非常に深いテーマになっています。
また、この映画のキャッチコピーは「生きろ。」というシンプルで力強いものです。
重い病気にかかっても、重傷を負ってもちゃんと生きようとする人間達の姿が描かれています。
宮崎駿監督は「人間が生きる」ということに対して以下のように話しています。
僕等の運命ってのは、多分チェルノブイリで、帰ってきた爺さんや婆さん達が、あそこでキノコ拾って食ったりね、その『汚染してるんだよ』って言いながら、やっぱり平気でジャガイモ食ってるようにして生きていくだんろうなっていうね…まぁ、その位のことしか言えないですよね。それでも結構楽しく生きようとするんじゃないかぁっていうね、どうも人間ってのは、その位のもんだぞって感じがね…
引用元:宮崎駿 『「もののけ姫」はこうして生まれた。
また、宮崎駿監督はインタビューの中で「もののけ姫という映画を作りながら、ハッキリと業病といわれた病(ハンセン病)を患いながら、それでもちゃんと生きようとした人達のことを描かなければいけないと思った」とも話しています。
実際、もののけ姫の中でもタタラ場で包帯を巻いた人達が暮らしているシーンがあります。
これはハンセン病患者が生活している様子を描いているシーンだと言われています。
当時、ハンセン病患者は社会的に差別の対象とされていて、仕事もろくにつけない状態で、隔離状態にあったと言われています。それでもタタラ場を治めているエボシはハンセン病患者を差別することなく、ハンセン病患者に生きる希望を与えていました。
作品の中で包帯を巻いた老人が「その人(エボシ)はわしらを「人」として扱って下さったたった一人の人じゃ。わしらの病を恐れず、わしの腐った肉を洗い、布を巻いてくれた。」と言っていたのが非常に印象的です。
もののけ姫と言えばやはり、「こだま」という木の精霊達が住むほどの深く美しい森林の描写がとても印象的ですよね。
そんな美しい森林のモデルとなったのが屋久島と白神山地です。これは公式のホームページにも記載されています。
屋久島はどんなところ?
屋久島は鹿児島県の大隅半島佐多岬南南西約60kmの海上に位置する島です。
島の面積は504.29km²で、東京ドームでいうと10個分以上の大きさですね。島の90%が森林で、島の面積の約21%がユネスコの世界遺産に登録されています。
そして何と言っても有名なのが「屋久杉」です。
屋久島に産して樹齢が1000年を越えるスギの木を「屋久杉」といいます。中でも推定樹齢3000年以上とも言われる屋久島最大の杉の木を「縄文杉」と言います。この縄文杉は幹周が16.1m、樹高は30mあります。
ここには間違いなく「こだま」がいらっしゃるでしょうね…
もののけ姫の世界観そのまま!屋久島の神秘的な風景
今にもシシ神さまがでてきそうです。
と、思ったら…
シシ神さま…?
運が良ければシシ神さまにも会えるかもしれません。
白神山地はどんなところ?
白神山地は、青森県の南西部から秋田県北西部にかけて広がっている標高1,000m級の山岳地帯です。
屋久島と同じく、日本で初めてのユネスコ世界遺産に登録された場所でもあります。人の影響をほとんど受けていない原生的なブナ天然林が世界最大級の規模で分布していることで有名です。
ブナの寿命は200年ほどと言われているなかで、樹齢400年以上とも言われる非常に貴重なブナの樹です。人の影響をほとんど受けていないからこそ非常に貴重な原生林が残っています。
宮崎駿監督が何度も足を運んだ白神山地の原生林
樹の向こう側からシシ神さまが見てそうです。
ということで、もののけ姫のモデルとなった屋久島と白神山地をご紹介しました。もののけ姫ファンの方は是非一度足を運んでみてはいかかでしょうか?