アパレルショップの店内撮影NGは時代にそぐわないのか

こんな記事を発見しました。

アパレル店はもちろん百貨店や量販店も未だ’店内撮影厳禁’で、イトーヨーカドーなどメモにさえ目くじらを立てる店長がいるそうだが、誰もがスマホ片手に店内で情報を検索したりECにアクセスしたりFaceBookやインスタグラムを投稿する今日、’店内撮影厳禁’は非現実的だし、顧客のSNS拡散アクションを妨げては集客効果に水を差してしまう。オムニチャネル商戦に遅れをとらない為には価格どころか在庫情報までネットで開示するのが必須となり、ランウェイシーンがライブ公開されたり直後にネットに溢れる昨今、店内撮影を妨げる意味はもはやなくなったのではないか。

引用元:家電量販店の「店内撮影OK!!」、アパレル店も見習うべき?

確かにそうなんですよね。

僕は独立する前はアパレルショップで店長をしていたので、結構この議論には興味があります。

今ではスマホがあればどこでも簡単に写真が撮れる時代で、その写真はfacebookやtwitterなどに簡単にアップでき、またたく間に情報が拡散されます。

なので、マーケティング戦略として、あえてお客さんに写真を撮ってもらって、それをSNSで拡散してもらうっていうのは確かに効果的ではあるんです。

そんな中で、依然としてアパレルショップでは店内撮影NGのお店もまだまだ多いのが現状でもあります。

この辺り、実はかなり色々な問題が複雑に絡み合っている気がします。

重要なことはブランドとしての価値を下げないこと

確かに店内撮影を全面的にOKにすれば、SNSで拡散される可能性も高くなり、大きな宣伝効果をもたらしてくれることは予想できます。

しかし、お客さんがそれぞれが自由に写真をパシャパシャ撮って拡散されるのはブランドとして必ずしもプラスに働くかというとこれが難しい気がします。

それこそ転売などに店舗内で撮影された商品写真が使われてしまうようなリスクもありますし、ブランド側が意図していない商品の写真が広まってしまう可能性もあります。

当然、写真の素人が店舗内で撮影するわけですから、少し色見が違って見えたり、しわが目立って見えたり、形がちゃんと見えなかったりなんていうこともあります。

更に同業者などがお客さんにまぎれて偵察に来て、店内の商品や価格、陳列方法、ディスプレイなどを全て写真に撮られてしまうこともありそうです。

結果的にブランド全体としてのイメージダウンに繋がってしまうリスクも非常に高いと言えます。

ネット上に正規店で撮影された写真が散乱するようなことになると、一体どの写真が本物なのかわからなくなりますよね。

なので、一概にSNSでの宣伝効果だけを見越して店内撮影OKにするのはなかなか難しい判断にはなると思います。

とは言え、SNSがこれだけ普及した時代に店内撮影をNGにするのはどうか

かと言って、これだけSNSを使っている人が多い時代にこれらをマーケティングツールとして使わないのもいつか限界が来そうな気もします。

非常に難しいですが、SNSとは上手く付き合っていかなければいけないのも事実だと思います。

撮影を全面OKにしてしまうのではなく、例えば撮影スポットをお店側で用意してあげるとか、スタッフに許可をとった場合のみ撮影OKとか、ある程度の制限をつけて撮影をOKにしていくのがいいような気がします。

例えば「ここにディスプレイしてある商品のみ撮影自由」とか。

まぁ色々やり方はあると思いますが、ブランドイメージを極力下げないようなやり方が大切になりそうです。

ちなみにスタッフに声をかければ大抵OKしてくれる

僕がアパレルショップで働いていた時によくあったのは、色々な洋服を試着して迷った際に、試着した姿を写真に撮って恋人や友だちに相談したいというパターンです。

こういった場合は、隠れてコソコソとやるよりも、素直にスタッフに「迷っていて友だちに相談したいから写真を撮ってもいいですか?」と尋ねるのがいいです。

厳しい所でなければ、大抵の場合はその程度であればOKをしてくれます。

むしろ、スタッフが写真を撮ってくれることも珍しくありません。

後はプレゼント用で洋服を購入しようとしている人が、「購入する前に相手に商品を見せる為に撮影したい」というのもよくあります。

これも、スタッフに言えば大抵の場合はOKしてくれます。

僕の経験上では、このような「常識の範囲内での撮影」であれば、スタッフは基本的には協力的なはずです。

プレゼントを購入する前に相手に商品を見せる為に撮影したいという人を頑なに撮影NGですと断り続けるのも、ブランドイメージ以前にお店のイメージがあまりよくないですよね。

この辺りは現場の判断になってしまうかもしれませんが、大抵はOKをしてくれます。

店内撮影に関してはアパレルブランドが今後どうしていくのかは興味深い所ではありますね。

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