世の中にはあらゆるマーケティング手法が存在します。その手法は時代と共に移り変わっていくものが多く、常に時代に合ったマーケティング戦略を組んでいく必要があります。
しかし、このサプライズマーケティングに関しては、どんな時代でも普遍的に使い続けることができる、とても有効なマーケティング手法です。
今回は濃いファンを増やすことができるサプライズマーケティングについてお話していきます。
サプライズマーケティングとは?
サプライズとは、直訳すると「驚き」「不意打ち」といった意味になり、サプライズマーケティングと言うと「驚かすようなサービスをして顧客を喜ばせること」といった意味あいになります。
驚かすようなサービスをして顧客を喜ばすことで、顧客は自分が想像していた以上の満足度を得ることができ、良い意味で強烈にそのサービスの印象が残るようになります。
顧客が求めていた以上の満足度を与えることができると、顧客は自然とあなたのファンになってくれるのです。ファンになってくれれば、その後もリピーターになってくれる可能性も高まるので、濃い見込み客を増やす上ではとても効果的な手法と言えます。
居酒屋にて、普通のメニューの中にあった、「アジのなめろう」を注文した際の話です。

普通にアジのなめろうを食べていたのですが、食べ終わった頃を見計らって店員が一言、「アジの残りの部分(頭と骨)を使って、骨せんべいにできますけど、是非骨せんべいにして食べてみませんか?」と、このように言われたのです。
メニューには「骨せんべいにします」なんてことは一切書かれていないので、ある種の「サプライズ演出」になっていたのです。
これをやってくれる居酒屋って結構多いのかわからないですが、少なくとも僕はこのお店で初めて言われたのでこのサービスを受けた時にとてもハッとしましたし、アジのなめろうに対する想像していた期待値を上回り、満足感を得ることができました。
更に帰り際には自宅で使える小さな唐味噌のようなものと、メッセージカードなどをおみやげとして頂けるなど、プチサプライズの連続によってこの居酒屋に対する満足度は非常に高いものとなりました。
ディズニーランドのサプライズ演出
ディズニーランドには数々のサプライズ演出とも言えるサービスがあります。
- パレードが始まる前に場所取りしている人たちで通路が混雑していて、私たちはパレードを見ないため混雑で中々通路を通れないときに、ごみを拾う人が私たちの目の前で水でキャラクターをいくつか書いてくださり、退屈させないようにしてくれたのが嬉しかった
- 子供をつれてアンバサダーホテルに泊まったとき帰り預けていたカバンに子供宛てに「楽しかったかな?また来てね」というメッセージカードが付いていてすごく嬉しかった。
水溜りの水を使って地面に絵を書いたり、メッセージカードをサプライズでもらえたりすることで、サプライズをされた来園者達にとってとても良い印象を受けているのがわかります。
そうでなければ、わざわざツイッターや掲示板などにこのようなことを書きこんでまで誰かに伝えたいとは思わないでしょう。
ディズニーランドはリピーター率が90%以上
ディズニーランドの来園者は過去に一度でも来園したことがあるリピーターが90%を越えると言われています。下記は2013年の株式会社オリエンタルランドの代表取締役社長(兼)COO 上西 京一郎さんによる、決算説明会時の発言です。
【質問】
テーマパークのリピート率はどのくらいか。また、年代別のリピート率がわかれば教 えてほしい。
【回答】
過去に 1 度でも来園したことのあるゲストをリピーターとしており、両パークともに 90%以上となっている。なお、年代別のリピート率など詳細数値の開示は差し控えさ せて頂きたい。
このように、実に来園者の90%以上の人が過去にディズニーランドに来たことのあるリピーターであることを明言しました。
ここまで多くの人達が何度もディズニーランドに足を運ぶ理由はもちろんたくさんあると思いますが、間違いなくこのサプライズ演出もリピーターを獲得する大きな要因のひとつとなっています。
サプライズマーケティングによって起きる現象
サプライズマーケティングをすることで、いったいどんな現象が起きるのかを下記にまとめてみました。
①強烈にその商品やサービスを覚える
サプライズをされると、自分が思っていた以上の満足感が得られたり期待値を越えたりするので、自然と印象に残り覚えるようになります。自分の商品やサービスをまずは覚えてもらうということはリピーターを獲得する上では非常に重要なこととなります。
普通に日常を過ごしている人であれば、今までに購入した商品やサービスの中で覚えているものの方が圧倒的に少ないはずです。まずは覚えてもらえるというのも重要な観点です。
上記ディズニーランドの例では、恐らく水たまりに絵を書いてもらった来園者は、そのことを何年たっても覚えているはずです。
②バイラルが起きやすい
顧客の期待を上回るサプライズができると、顧客はそのサプライズを写真を撮って残したり、友人などに話したくなるのです。すると、今ではtwitterやfacebookなどの個人が情報を発信できるメディアがたくさんあるので、インターネット上で拡散される可能性が高まるのです。
期待通りの普通の商品やサービスでは写真を撮ろうとか友人に話そうといったアクションはあまり起こしづらいですが、期待値を上回るサプライズを受けると、嬉しさからこういったアクションを起こしてくれるのです。
事実、上記ディズニーランドの例のように、たくさんの人達が自分が受けたサプライズをまるで競う合うかのようにtwitterやブログなどで情報を拡散させ続けているのです。
このような口コミで話題になることはとても大事なことです。
③リピーターを獲得できる
サプライズ演出を受け、そのサービスや商品を強烈に覚えると、自然と「また行きたい」といった感情になり、リピートしてくれるようになります。どんなサービス、商品を扱っていても、リピーターを獲得することは経営戦略上とても重要なことです。
新規客獲得ばかりに力を入れるにはコストがどうしてもかかってしまうので、このようなサプライズでリピーターを獲得していくのも大事なことです。
まとめ
自分のビジネスのあらゆる場面で顧客に対してサプライズをしてあげることは、マーケティング上も非常に効率の良い戦略となります。
もちろんマーケティング戦略としても有効なのですが、何より「お互いにとって幸せな気分になれる」のがとてもいいことだと思います。
どんなビジネスも、人間と人間のつながりによって成り立っているので、このような関わっている人間皆が幸せな気分になれることは実はマーケティング戦略よりもはるかに重要なことだと思います。
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