デイル・ドーテン著の「仕事は楽しいかね?」を読んでみました。
この本は主人公とたまたま空港で出会った老人との会話形式で物語が進んでいきます。なので、難しいビジネス書を読むというよりは二人の会話を読み進める感じで、比較的読みやすくサラッと読めてしまうと思います。
老人の正体は企業トップがアドバイスをほしがるほどの高名な実業家

この本は主人公とたまたま空港で出会った老人との会話形式で物語が進んでいくわけですが、その老人というのが実は企業のトップ達がアドバイスをほしがるほどの高名な実業家のマックス・エルモアという人物だったんです。
マックスが「仕事は楽しいかね?」と主人公に尋ねたことをきっかけに、主人公は今の仕事に対する悩みや不満をマックスに話す所から会話がどんどん進んでいきます。マックスが仕事に悩む主人公に対して様々な考え方をレクチャーしていく様がとても面白いといいますか、ついつい読み入ってしまいます。
マックスはこの主人公に対して主に「目標に対する考え方」と「成功する人の共通点」などを話していきます。
目標設定に対するマックスの考え方
マックスは「今日の目標は明日のマンネリ」と言います。つまり、目標と言うのは月日が経つとマンネリ化してしまうということです。それを防ぐ為にマックスは「明日は今日と違う自分になる」ことが必要だと言います。
考え方や目標を日々変化させ、アップデートさせることが良い結果をもたらすことが多いと言うのです。
マックスは一度決めた目標を変えたからこそ大きな成功を手にした人達の例をたくさんだして、明日は今日と違う自分になることの重要性を主人公に話します。
確かに目標設定って一度決めたらなかなか変えづらかったりしますよね。でも、一つの目標にこだわらずに日々の自分の環境や状況、考え方などの変化に柔軟に対応して、目標もアップデートしていくことが結果的には成功をもたらす可能性が高いということです。
そしてマックスはこうも言います。
「遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守れ」
一番最初は目標を設定するよりも、自分が遊び感覚で夢中になってやれることに全力を注ぐことが大きな成功に繋がるということです。これについてマックスはアップルのスティーブ・ヴォズニアックとビルゲイツを例に出して説明しました。
- アップルのコンピューターを作ったスティーヴ・ヴォズニアックが、一番最初にコンピューターを作った理由は世界を変えたかったわけでも、大企業のトップになりたかったわけでもなく、ただただコンピューターが好きで作ったものを仲間に自慢したかったから
- ビルゲイツがコンピューターを作ったのは億万長者になりたかったわけではなく、コンピューターにあらゆる仕事を処理させたかったから
いずれにせよ、結果的に成功している人達というのは最初は意外と自分がどこへ向かっているのかわかっていないことが多いと言います。ただ、遊び感覚でいろいろやって成り行きを見守ることが良い結果を生み出していたわけです。
変に目標設定にこだわるのではなく、自分が遊び感覚で楽しく熱中できることにこそ大きな成功が潜んでいるのかもしれません。
成功する人の共通点
成功する人の共通点は本書の中でも色々と言われていますが、一つ例を出すなら「偶然舞い降りたチャンスをモノにしている」ということが挙げられます。
- コカコーラが誕生したきっかけはたまたま頭痛薬を水で割って飲んでいた薬屋の従業員を見たこと
- リーバイスのデニムが誕生したきっかけはゴールドラッシュの時にたまたま採掘用のズボンが品薄になっているのを見て、余っていたテント用の帆布でオーバーオールを作ったこと
「偶然舞い降りたチャンスをモノにする」というと、何だか実力ではなくてたまたまラッキーで成功していると思ってしまいがちですが、マックスはそうではないと言います。
例えば、もし自分が頭痛薬を水で割って飲んでいた薬屋の従業員を見て、コカコーラのような飲料水を作って販売しようと思うでしょうか?もしゴールドラッシュの時にテント用の帆布が大量に余っていたらこれでズボンを作ろうと思うでしょうか?
このような些細なアイデア、些細な偶然と言うのはほとんど全ての人に日々舞い降り続けています。しかしたくさんのアイデアはほとんどの場合でただ目の前を通り過ぎていってしまっているのが実際の所だと言うのです。
その偶然のアイデアをモノにするかどうかはただのラッキーではなく「どれだけチャレンジできるか?」「どれだけ行動できるか?」が重要になり、その試行回数こそが成功に繋がるというわけです。
更にマックスは「試すことに失敗はない」とも言います。
失敗は成功の母であり、成功の為に失敗は必要不可欠であると言えます。成功の為に失敗は必要であるならば、ある意味で失敗はないというのもその通りだと思います。失敗はあくまで成功の一部ということですね。
本書の全体的な感想
本書のタイトルは「仕事は楽しいかね?」というものでしたので、どちらかというと仕事のモチベーションを上げるような内容なのかと思っていましたが、結構ビジネスよりといいますか、起業家向けの内容だった気がします。
- 目標設定に対する考え方
- 新しいアイデアを抽出する方法
- 偶然閃いたアイデアを掴む為の姿勢
- 成功する為に生きる姿勢を変える方法
このような内容がメインとなっています。
もちろん仕事のモチベーションを上げる為に役に立つ内容もたくさん含まれてはいますが、どちらかというと多くのビジネスの成功事例などを具体的な事例を用いて説明してくれていたり、アイデアの抽出方法を具体的に解説してくれたりしている印象が強いです。
また、目標に対する考え方や成功する為の考え方はやはり参考になる部分が非常に多いです。ビジネス書で常にトップセラーになっているだけあって、非常に読みやすく内容もしっかりしています。
興味のある方は是非一度読んでみて下さい。
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